フォークのお供はスプーン?ナイフ?
英国から日本を経由して香港に来て、何がどこの国の常識なのか、混乱することがたまにある。例えば食事に使うカトラリー。レストランでフォークとスプーンがペアになっているのを見ると、「アジアに来たなあ」としみじみ思う。
英国だと、やっぱりフォークとナイフ。忘れもしない、一番上の子が3歳で幼稚園に入った時、持ち帰った最初のニュースレターには、本当に驚いた。
「給食の時間に、5歳にもなって、フォークとナイフをきちんと使いこなせずに、まるで猿のような食べ方をしているお子さんが何人かいます。こういうことはご家庭できちんと指導して下さい」という校長先生からのメッセージ!
「猿みたい」という表現もすごいけど、「えええ、5歳でフォーク&ナイフを使いこなさないといけないのか。まだフォーク1本使うのも上手くはないのに」と強烈なプレッシャーを感じたもの。
そして日本人の奥様向けマナー教室を開いていた友人から「名門校に子供を通わせているお母さんが、家に遊びに来た息子の友達(13歳位?)に、ピザを紙皿で出したら『フォークとナイフは?』と変な顔をされて、息子に恥ずかしい思いをさせてしまったといって、マナー教室に通っている人がいる」なんて話もちょうど聞いていて、おそらくそれは貴族の子供が来るような学校だったんだろうし、年齢だって全然違うのに、「うわー親が慣れないせいで、子供の学校生活に影響が出たら嫌だな~」などとますます焦る。
とにかく当時はまだ、英国に来て1年も経っておらず、娘の英語もたどたどしいし、年子を抱えて家にこもることが多かった私も娘も、お友達も少なかったのも影響したのか、娘は引っ込み思案で大人しい子、だと思い込んでいた。そんな環境で、「とにかく恥ずかしい思いをさせないように私が頑張らねば」などと、妙にフォーク&ナイフ問題に敏感になってしまっていた気がする。
ある日、娘が初めてお友達の誕生会に呼ばれた時。チキンナゲットや、問題のピザなどがずらずらとテーブルに並んでいる。そこで「英国人ママは、やっぱりフォークやナイフで食べさせたりするのかしら」とビクビク様子を見ていると、何のことはない、みーんな手で食べさせているではないか! なーんだ、そんなもんか、と一気にリラックス。だって4歳の誕生日なんだから、今思えば私の気張り方が異常だったのだけども。
そんなこんなで、いつの間にか娘の英語もみるみる上達し(気がついたら日本語をすっかり忘れていたりもして)、どんどんお友達が増えて、実はかなり社交的な性格だということが分かった。私といえば、一応英語は話せるといっても、ネイティブが10人も揃ってわーわー話していると、全然流れについていけなくなって、日本じゃあお喋りだったはずが、何だか大人しくて存在感のうすーい人になっているのが悲しい毎日。
そんな中でも「お宅のお嬢さんは本当に優しくていい子ね。ぜひうちの子と放課後遊ばせてもらえるかしら」と他のお母さんたちが言いに来るほど評判のいい娘のお陰で、「あのお母さんは何考えてるのかよく分からないけど、娘さんがあんな風なのだから、きっとお母さんもいい人なんだろう」と、受け止められるようになり、気がつけば、子供に親がフォローされるようになっていた!
そして香港といえば、やっぱりフォークにはスプーン。これってアジア共通なのか、うちのアマさんも、とりあえず子供に覚えさせなくちゃいけないと思って「フォークにはナイフ」と言っても、納得がいかないらしく、どんなメニューでもフォークにスプーンをテーブルに並べてくる。
まったく! と最初思っていたものの、「そういえば日本でだって、カレーと一緒に、水が入ったコップにスプーンを指したのが臨海学校とかで出てきていたっけ」と思い出して苦笑い。ま、郷に入れば郷に入りすぎて元に戻りにくくなっていたのでしょう。
先日、マカオぴあ第2号の取材で、数多くのレストランを訪れた時、あるアジア系レストランで某一流ホテルのPRの女性達(マカオ人)とランチをご一緒する機会があった。当然ながら、並んでいるのはフォークとスプーン。マナーが大切な職業なわけだし、この人たちは、これを使ってどうやってきれいに食べるのかな、と興味津々、彼女らの手元を観察していた。
基本的には、パスタをフォークとスプーンで食べるような感覚で、右手にフォーク、左手にスプーンを持って、スプーンで大きいものを切ったり、フォークで掴んだものをスプーンで受けたりしている。なるほどー!!
そんなこんなで、あちこちに行くうちに、すっかりいい加減になってしまった私のテーブルマナー教育。長女も9歳だけど、うーん、まだまだフォーク&ナイフを使いこなしているとはとても言えない。ま、また英国に行くことにでもなったら、慌てて特訓することにしよう。
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コメント
こんにちは。各国のテーブルマナー事情、面白いですね。
アメリカもまた独特で、日本人の多くが知っている、または習った英国式(?)とは随分違います。最初に切り分けてから、右手にフォークだけを持って食べる、その際、左手はひざの上、などと聞き驚きました。
英国式のほうが圧倒的にきれいに見えるけど、郷に入っては郷に従ったほうがいいのでしょうかねぇ、、、
投稿: くれまちす | 2008年7月16日 (水) 04時50分