高給ディーラーはクーポン券がお好き!?
1年前に「そうだ、せっかく香港にいるんだから資産運用だ!」と目覚めたものの、元手が貯まらないうちに金融危機を迎えて運が良かったといえば良かった私。
しかし長女がセカンダリーに入り、大学のこともちゃんと考え始めると、教育資金についてあまりに適当だったことに気がつき反省。夫と自分は年を取るばかりなのに、子どもたちはどんどん大きくなっていくし、とにかく地道に備えていかないと本当にまずい。
ということで、再度、資産運用...とまでは行かず、とにかくどんぶり勘定卒業しないと、と色々と調べたりし始めた。
大昔、真っ当な会社員だった頃には、持ち株会だ、財形だと利用しまくり、金利の一番高い頃に定額貯金も作ったし、ヒットだ旅行券積み立てだと、あちらこちらと色々な金融商品を試していたっけ。時期が良かったので(あの頃なら誰でも)そこそこ儲かったもんだ。
結局、色々試すのはゲーム感覚で、「おーなるほど、こういう仕組みなのか」とか、「え、思わぬ落とし穴」とか、商品を自分で持っているから始めて分かる(説明を読んでいてもいまいち分からない)ことが多くて、楽しんでいた気がする。
で、今回、同じノリでちょこちょこ調べて「香港在住者だけしか買えない、貯蓄型定期生命保険がいいらしい」「ドルコスト平均法がいかせる積み立て投資を」だなんて騒いでいたら、夫(某外資系金融機関勤務、でもシステム部門、だけど自分で投資をしようとすると制限があって手続きが面倒)に思い切りダメ出しをくらった。
まず貯蓄型生命保険。「目標金額を設定して、10年間月々積み立て」「途中で払い主が失業したら1年間支払を猶予」「途中で払い主が死んだら目標金額をその時点で受け取られる」。良いではないか!とサイン寸前だったのだが、既に50歳の夫は「自分がこの年で失業したら、再就職できないかもしれない。で、途中解約すると?」と調べると、最初の5年間だとほとんど雀の涙。満期ギリギリにならないとメリットはない。
万が一の場合の生命保険としてならいいのだが、既に他に入っているので私たちに必要なのは貯蓄オンリー。「失業して死んだらいいけど、失業したけど生きていると最悪ということだね」とつい口にしてしまって、一瞬空気が凍り、その後、大笑い。これだったら低金利でも払った金額が貯まる銀行の定期預金でいいだろうということで却下になってしまった。
そしてHSBCのマンスリーインベストメントプランというやつ。「ハンセン指数に連動した株ならok」と夫に言われていたので調べると、株の銘柄は何でもいいわけではなくて有名どころの株から選ぶ方式。で、ハンセン指数に連動しているのは投信になる。しかし投信と聞いただけで夫はアレルギー反応。
会社の中で色々見ていると、つくづく証券会社というのは、いかに手数料やら何やらで、目くらまししながらお客のお金を取り上げるかということに腐心していると感じるという。「その点、単純に指数に連動しているなら、投信みたいに変な理由をつけて儲けが出なかった、でへへと言い訳ができなくていい」のだとか。
慌てないで、とりあえず地道に元手を定期預金で貯めて、その間にこの本を読んでもっと勉強しなさいと渡されたのが"The Investor's Toolbox"(Peter Temple著)。夫が色々読んだ中で、唯一、とても客観的で、冷静で、必要なことだけが淡々と書いてある(これであなたも億万長者、みたいなノリがまったくない)と感じたのだそう。で、それでよく分かってから、誰もアドバイスしてくれないけど余計な手数料は取られないからInteractive Broker (http://www.interactivebrokers.com/jp/main.php)で直接取引しなさいと言われて、正論だけに、大変盛り下がってしまった。
「でもさ、ほら、試しにちょっとやってみると、いろいろと相場の仕組みが分かったりして、金融リテラシーがほら」とどこかの請け売りなことを言ったら「何でそんなに今やりたいの」。思わずここで本音が出て「そりゃだってほら、何だか面白そうだから」。
で、面白そうとは何事じゃ、子どもたちの将来がかかった大事なお金なんじゃといさめられてしまって、終了。
そして、ここでタイトルの一言が出た。何でも仕事でディラールームに行った時に、ものすごいものを見てしまったのだとか。超高給取りのディーラー(例のAIG社員たちなみのボーナスをもらっているはずの)が、新聞についていた15セント(せいぜい2円分くらい)のクーポン券を熱心に切り抜いているのを目撃したのだという。
「何でまたそんな」と聞いたら、「このお金は、完全に保証されていて、本当に金額通り、タダで提供されているんだ。それっていうのはあり得ない、もの凄いことなんだ。自分たちの扱っている金融商品は、何億ドルだろうが何だろうが、1セントも保証されていないんだから、これとは比べものにならない」と大まじめに答えたという。
元手がないので証券会社にとってカモネギになるほどの旨みもなく、ただのミーハーで何の知識もない私にとっては、ぐうの音も出ない、何だか背筋が一瞬凍るような話だった。
ということで、せっかくHSBCの投資口座もオープンしたんだけどなー。使わないのもったいないなー。月1000香港ドル位だったらいいんじゃないの~、という誘惑に負けずに、地道に行きます。はい。
●一応、アマゾンにもありました~
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The Investor's Toolbox: How to Use Spread Betting, Cfds, Options, Warrants and Trackers to Boost Returns and Reduce Risk 著者:Peter Temple |
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